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過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群とは過敏性腸症候群 (IBS) は、特に消化器の疾患がないにも関わらず、腹痛や便秘、または下痢を1ヶ月以上慢性的に繰り返す病気です。
大腸や小腸などの消化管の知覚過敏や運動異常、精神的なストレスが関係して発症するとされています。
20~40歳代の若い年代の方によく見られ、日本では10~15%の人が罹患しているとされています。

過敏性腸症候群に
なったら、病院へ
行くべきか?

過敏性腸症候群は身体の病気ではなく、腸の機能異常によるものです。そのため、治療をしなくても命に関わったり、身体的な後遺症が残ることはありません。ただし、個人差はあるものの、症状が社会生活に影響を及ぼすことが考えられます。症状やお悩みでお困りの場合は、お早めに医療機関を受診しましょう。

過敏性腸症候群の
症状・重症度チェック

過敏性腸症候群の症状・重症度チェック
  • 便秘や下痢が続いている
  • 便秘が続いており、便が出てもコロコロ便しか出ない
  • お腹の調子の不調、もしくは痛みが数週間続いている
  • お腹の痛みは排便に一時的に和らぐ
  • 排便後もスッキリしない
  • 形の悪い便が数週間続いている
  • 日によって排便回数がバラバラ

上記の症状がある場合は過敏性腸症候群が疑われます。
また、下記のような症状がある場合は、重い疾患の可能性があるため、医療機関を受診してください。

  • 便に血が混ざっている
  • 寝ている時にお腹の痛みで目が覚める
  • 体重がみるみる落ちている

症状ごとに見る
過敏性腸症候群の
4つの種類

胃液などが食道に逆流することで、胸やけや胸が締め付けられるような痛みが出現します。

下痢型

男性に多く見られ、腸の動きが激しくなることで、便が水分を保ったまま腸内を通過してしまうため、下痢が出ます。
症状として、1日に何度も水のような便が出ることや下痢の便に粘液がついていることなどがあり、ストレスで悪化します。

便秘型

女性に多く見られ、腸が過剰に動くことで狭くなるため、便が通りづらくなり便秘になります。
症状:には、便秘が続いてお腹が苦しいことや便が出にくい、硬くコロコロとした便が出るなどがあり、下痢型同様こちらもストレスで悪化します。

混合型

下痢型と便秘型の両方の特徴を持ち、下痢と便秘を繰り返します。
お腹の状態が不安定で、ストレスを感じると下痢と便秘を頻繁に繰り返します。

ガス型

腸の動きが過剰になり、ガスが溜まっておならが頻繁に出るタイプです。
おならが頻繁に出ることやおならが我慢できない、腹痛、緊張でお腹が鳴るなどの症状が出現します。

過敏性腸症候群の原因

明確な原因は不明ですが、大腸や小腸の運動異常や知覚過敏、精神的なストレスなどが関与していると考えられています。
自律神経のバランスが崩れると腸の動きに異常が生じ、下痢や便秘を引き起こします。

過敏性腸症候群の検査 ・診断

問診を行い、症状を確認します。
過敏性腸症候群と似た症状を引き起こす大腸がんや甲状腺機能亢進症などの疾患との鑑別が必要です。
検査方法として血液検査や便潜血検査、尿検査がありますが、以下に該当する方は大腸カメラ検査を行います。

  • 50歳以上で初めて発症した
  • 直腸からの出血している
  • 直近で3kg以上の体重減少がある
  • 発熱している

腸に異常がないことを大腸カメラ検査で確認がされれば、過敏性腸症候群の診断が可能です。

過敏性腸症候群の診断基準

過敏性腸症候群では、血液データなどに異常が見られないため、次のような方法で診断がなされます。
まず、問診でどのような症状がいつから始まったか、悪化の原因になるものなど詳細を確認します。
次に、血液検査や便潜血反応、便培養検査などを行い、他の疾患などの可能性がないかを確認します。
その後、より詳細な検査が必要な場合には、大腸カメラや注腸X線検査などを実施します。
以上の結果、潰瘍性大腸炎や大腸がんといった疾患ではないと判断されると、過敏性腸症候群の診断基準に従って確定診断が行われます。

過敏性腸症候群の治し方

過敏性腸症候群は完全に治すことは難しいです。
そのため、症状を軽減し、日常生活を快適に送るための以下の治療を行います。

薬物治療

薬物治療消化管運動調節薬、漢方薬、緩下薬、鎮痙薬、抗不安薬、抗うつ薬などが使用されます。

生活習慣の見直し

生活習慣の見直し規則正しい生活、十分な睡眠、ストレス管理、適切な食事が重要です。
刺激の強い香辛料やアルコールの過剰摂取は控えます。

過敏性腸症候群の治し方

最近では、小腸で吸収されにくく大腸で発酵しやすい糖質である『FODMAP』が、過敏性腸症候群の症状を悪化させることがわかっています。
下記に記載している高FODMAP食品の摂取量を減らし、食事日記をつけて食事メニューと症状の変化を記録するとよいでしょう。

高FODMAP食

胃液などが食道に逆流することで、胸やけや胸が締め付けられるような痛みが出現します。

穀物類

  • 小麦
  • 大麦
  • ライ麦
    など

野菜・イモ類

  • さつまいも
  • にんにく
  • たろいも
  • アスパラガス
  • ごぼう
  • 豆類
  • セロリ
  • 納豆
  • キムチ
    など

果物

  • 干しぶどう
  • プルーン
  • グレープフルーツ
  • いちじく
  • りんご
  • 西洋なし
  • スイカ
  • パパイヤ
  • あんず
  • さくらんぼ
  • もも
    など

乳製品

  • 牛乳
  • ヨーグルト
  • ミルクチョコレート
  • プリン
  • アイスクリーム
  • クリームチーズ
  • プロセスチーズ
  • ブルーチーズ
    など

調味料

  • 固形スープの素
  • オリゴ糖
  • ブイヨン
  • 果糖ブドウ糖液糖
  • トマトケチャップ
  • 豆乳(大豆由来)
  • バーベキューソース
  • カスタード
    など

その他(肉類・ナッツ)

  • ソーセージ
  • 魚の缶詰
  • アーモンド(20粒以上)
  • カシューナッツ
  • ピスタチオ
  • きな粉
  • わさび
    など

飲み物

  • オレンジジュース
  • はちみつ入りジュース
  • りんごジュース
  • エナジードリンク
  • ウーロン茶
  • ラム酒
  • 甘いワイン
    など

低FODMAP食

胃液などが食道に逆流することで、胸やけや胸が締め付けられるような痛みが出現します。

穀物類

  • 玄米
  • そば(10割)
  • オートミール
    など

野菜・イモ類

  • 白菜
  • きゅうり
  • かぶなす
  • しょうが
  • トマト
  • オクラ
  • ブロッコリー
  • かぼちゃ
  • じゃがいも
    など

果物

  • オレンジ
  • バナナ
  • ぶどう
  • ラズベリー
  • メロン
  • いちご
  • パイナップル
    など

乳製品

  • アーモンドミルク
  • マーガリン
  • バター
  • ゴルゴンゾーラチーズ
  • モッツァレラチーズ、カマンベールチーズ、
  • チェダーチーズ
  • バターチーズ
    など

調味料

  • 味噌
  • マヨネーズ
  • ソース
  • オリーブオイル
  • 魚油
  • キャノーラ油
    など

その他(肉類・ナッツ)

  • 肉全般(ハム、ベーコン含む)
  • 魚介類全般
  • アーモンド(10粒以下)
  • ピーナッツ
  • くるみ
  • 唐辛子
    など

飲み物

  • コーヒー
  • 紅茶
  • 緑茶
  • ビール
  • 甘くないワイン
    など